地域連携PBL「八王子市成人式実行委員会」

2018年度から関わらせてもらっている八王子市成人式実行委員会。こちらは八王子市役所の生涯学習政策課との協働案件です。

2019年度は6月から1月の成人式本番に向けて、毎月の実行委員会で企画を立案し、本番を迎えるという流れです。もちろん本番では、参加する学生たちは全員舞台に立ちます。実行委員会という形式をとっている行政がどれくらいあるかは定かではありませんが、八王子市には多くの大学があるため、そこに通う学生たちに広く声をかけ参加した学生たちと一緒に行政が成人式の企画を一緒に作り上げていく、という方式となっています。

その実行委員会に工科大からは6名の学生たちが手をあげてくれました。とは言っても、大半が1年生。企画立案に携わった経験がある学生も多くありません。大人たちと一緒にプロジェクトを進めたことなどほとんどがありません。でも、そんな状況下で「やってみたい」と手をあげた勇気はとても素晴らしいし、そのチャレンジはぜひ成功させて、自信を持たせてあげたいと思います。

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概要

期間:5月下旬〜翌年1月中旬
目的:八王子市主催2020年度成人式の企画立案及び当日の運営
参加者:6名
内訳:コンピュータサイエンス学部:2名
   メディア学部:4名
協働先:八王子市生涯学習政策課

*プロジェクトの日々の活動記録は学生たちがこちらのブログに記事を書いてくれています。
 東京工科大学学外活動ブログ 八王子市成人式プロジェクト

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プロジェクトの大まか流れは以下の通り。

主導は八王子市のため、教員は大学でのレクチャーやモチベーション維持のためのメンターとしての役割が主となります。

事前レクチャー(メンバーの顔合わせ、企画の作り方、ビジネスマナー等)
   ↓
実行委員会会議

   ↓

学内ミーティング(ワークショップ形式で企画のアイディア出し)

学内ミーティング(アイディアをもとに個人で企画案プレゼン)

   ↓

実行委員会会議

   ↓

以降必要な際に学内ミーティング、個人面談を実施

   ↓

本番

というわけで、実行委員会が始まる前、5月の段階で集まり事前レクチャーを実施しました。「企画の作り方」や「ビジネスマナー」、そして抑えておくべき「行政の価値観」などについてを学びます。協働の際に大事なのは、自分のやりたいことを提案するのではなく、相手のニーズとこちらのニーズをすり合わせることが大切ですよね。

その後迎えた、第1回の実行委員会会議では緊張が見られたものの和気藹々とした打ち合わせの場となりました。この時、次回の会議までに成人式で行う企画案をそれぞれ考えてくるよう宿題が出されました。

企画を考える練習も兼ねて、学内ミーティングとしてワークショップ形式でアイディア出し。八王子市の成人式は式典の部とアトラクションの部という2部構成となっていて、実行委員メンバーが考えるのは、第2部アトラクションの部で行う企画です。

各々が出した企画案のアイディアをお互いに質問やアイディアの上乗せをすることで、深め、クオリティを高めていきました。一旦持ち帰り、次の学内ミーティングまでに個人で企画案に仕上げて、プレゼンテーションを行います。

メンバー内で意見交換をして企画案をブラッシュアップしていきます。このようにして出来上がった案を実行委員会会議の場で他大学の学生や市役所職員の皆さんに提案します。これ以降何度もの会議での議論を経て、実現性と成人式という場にあったものであるかなどいろんな観点から考え練り上げていきました。

企画立案に関してはほとんどが1年生だったこともあり、実際どんな場なのか経験していないという難しさもありました。ただ、逆に、知っていたら出ないだろうなというアイディアが出たりと経験に縛られない思考の飛躍がみられたことが面白く感じました。それを採用してくれた行政の皆さんの判断もとてもありがたいと思います。

また、本番では練習の成果とも言えますが、メンバーそれぞれ堂々とした立ち居振る舞いで、司会の際にアドリブを挟んだりとプレッシャーに負けない強さを見せてくれたことも驚きとともに嬉しく感じました。

本番の様子は、メンバーがまとめてくれたこちらのブログ記事から是非ご覧ください。

2018年度から担当しているこの成人式実行委員会というプロジェクトは、他のプロジェクトとよりもその期間がかなり長く、モチベーションの維持が気がかりとなります。もちろん手をあげた学生たちは責任感も強い子たちが多いため、最後まで投げ出さずにやり遂げてくれますが、モチベーションの低下は企画の質の低下につながることもあります。メンバー内や行政側との関係性がうまく構築できないと、雰囲気にも影響が出てきます。これまでにもこの意識のズレが起き、関係がギクシャクしたことも実際にありました。

その部分、今年度大きく影響が出ることなく走り切れたのは、昨年の参加者がメンバーとして関わってくれたことが大きく思います。チームの中でもその経験を生かしながらメンターとしての役割を担ってくれたことや、教員への情報共有を適宜行ってくれたため安心して見守ることができました。2年生で、自分の成人式があるため本番の参加はかないませんでしたが今回の成功に間違いなく大きく貢献してくれたと思います。

学生の成長を頼もしく感じる瞬間ですね。

長期間のプロジェクト、みんなお疲れ様でした!

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東京工科大学で行っている地域連携PBLプログラムをこちらにアーカイブしています。


satohiroki-Lab.

ワークショップデザインをベースとしたAL、ファシリテーション、地域連携コーディネートを実践・研究しています。

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