みしま未来研究所に行ってきました。
静岡県三島市、三島駅から徒歩10分くらいのところにある「みしま未来研究所」。
今年度、工科大で行っている総合社会のゲスト講師に、こちらの運営に携わっている方にきていただいたご縁もあり、今度はこちらから有志の学生達と一緒にお伺いしてきました。
みしま未来研究所は、2010年に閉園した旧三島市立中央幼稚園をリノベーションし、生まれたコミュニティスペースです。施設の運営は特定非営利活動法人みしまびとが行っています。
各地にコミュニティスペースという場は数多くありますが、みらけん(みしま未来研究所の愛称)の特色は特に中高生に向けて開かれているというところです。
施設内の部屋には「高校生の部室」と名付けられたスペースが常設されていることからも、その力の入れようが窺い知ることができます。
どの地方も同じような悩みを抱えていますが、高校を卒業すると若者は地元を離れ、東京などの都市部に出て行ってしまう。近年ではUターンなどの取り組みも活発になってはいますが、その成果が目に見えて現れている自治体はごく稀と伺っています。
お話を聞いてみると、三島も同じような課題を抱えつつ、その上でこのエリアが持つ特殊性も地元に若者が戻りにくい要因もあるとのこと。実は新幹線に乗れば、東京や横浜まで1時間程度で移動できてしまうという心理的に近い距離感が、「いつでも戻ることができる」というある種の安心感を醸成してしまい、尚更地元へ戻るという選択肢を減らしてしまっているそうです。
このような背景からも若者と地域の関わりを強くすることが、地元に戻ってきやすい環境を作ることに寄与するとの思いから、先述の中高生へ開かれた場を作るきっかけになっています。
大学生も含め、この時期の若者達が接する「おとな」は親や先生が主になりがちです。それはつまり生き方の他のロールモデルを知ることができないことにつながります。時代や社会の仕組みが大きく変わりつつある現在、これまでのキャリア観は通用しなくなってきています。そしてその傾向は今後ますます大きくなると考えられます。そんな時代において新しい価値観や生き方を知るために、普段の自分の活動圏から「外」に出ることは必要不可欠です。
みらけんのような場が、これからを生きる若者たちに新しい視野を持つ、気づくきっかけになると良いなと感じます。
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